ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「実は、あともうひとつ」と彼女は口ごもった。

「えっ、まだ?」

 嘘だろ? 桜子はそんなにいろいろ抱えていたのか。

 神妙な表情で大きくうなずいた彼女は、またしても俺を責めるような目を向ける。

「体調ですけど、桜子は、もしかして……」

「妊娠?」
 だよな。

「やっぱりそうなんですか?」

「いや、確認はしていない」

 本人が言ってくれるのをもう少し待とうかと思っていた。

「そうかもしれないってね。ゆっくりと時間を取って話をするつもりでいたんだ」

「それなら朝井さん。聞きますけど、桜子が妊娠したら困るんですか?」

「え? どうして? 今だって〝やったぞっ〟て叫びたい気分なのに」

 あははと彼女は笑う。

「ならいいですけど、もし妊娠だとしたら、なぜ朝井さんに隠すのかなぁって」

 ああ……、それは。
 秘密にする理由ならある。

 桜子は、かりそめの婚約者でしかないと思っているからだ。
 おまけに寝室からピアスまで出てきたら、そりゃ不安になるだろう。


「心配かけて申し訳ないね。彼女としっかり話をするから安心して欲しい」

「よろしくお願いします。あの子、なんでも抱え込んじゃうから」

 桜子にいい友人がいてよかった。

 とにかく見つけ出さないと。

 すぐさまスマートホンを取り出し、優斗にメッセージを送る。

【優斗、桜子が――】