ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「寝室で。でも桜子はピアスの穴すら開けていないし」

 ちらりと俺を見る目が非難めいている。

「うちの寝室?」

 うなずく彼女にもう一度聞いた。

「でも、うちの寝室には俺と桜子以外には入っていないよ?」

「本当ですか?」

「ええ。誓って言うが、ほかには誰も。強いて言うなら引越してすぐに一日だけ頼んだハウスキーパーがいるが」

「その人の可能性はあります? 連絡は取れるんですか? その人」

「ああ、うちの実家で働いている人だから。五十代の女性だが」

 確認はするとして、もしや桜子は浮気を疑ったのか?

「ありえない」

「えっ?」

「俺は桜子だけを愛している。浮気なんてありえない」

「さすが朝井様」

「それで旅行先の心あたりはある?」

「いえ。優斗君のところに行きたいとは言ってましたけど。どれくらいかかるのかなとかネットで調べたり」

「北海道?」

「わかりませんけど、可能性としてはありかと」

 そうか。

 おそらくそうだ。桜子は優斗に会いに行ったんだ。