ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 信じて結婚しても、あんなふうに言われてしまう女性がいる。

 私も同じ目にあう可能性だって、ないわけじゃない。

 それもこれも、すべてを彼に聞けば済むのだけれど……。

「はぁ」

 口から漏れるのは重たいため息だけだ。

 

 今日また彼の病院の女性たちが来た。

 レストランではなく、今回は部屋をとっていた。

 フロントに、私が運んだルームサービスに髪の毛が入っていたと苦情の内線電話があった。彼女たちのコンプレインも三度目なので、スタッフのみんなもフォローしてくれるが、こう続くとさすがにへこたれる。

 耳に届いた彼女たちの声。

『まったく。どうやって取り入ったのかしら、入院していたときもやたらと朝井先生に会いたがっていたし、変だと思ってたのよね』

 一年後彼と別れれば、そのうち彼女たちは忘れるだろうと思っていた。でも。

 今の私には、はっきりと見える未来がない。

 そっとお腹をなでた。

 しっかりしないと。この子のために。

 まず彼に話をして……。

 それができるくらいならこんなに悩みはしない。