ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

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「はぁ……」

 どうしよう。

『おめでとうございます』

 やはり妊娠していた。

 検査薬で陽性が出て、その足で行った病院で確認してきた。

 まだ誰にも言えていない。美江ちゃんにも、そして慎一郎さんにも――。

 玄関を開けると、リビングのドアから薄い灯りが漏れている。

 しっかり照明がついていればもっと明るいはず。ダウンライトかスタンドライトの明かりだろう。

 寝ているかも知れないので小さな声で「ただいま」と言いながら中へ進む。

 ドアを開けると。

 あ、やっぱり寝ちゃってる。

 慎一郎さんはリビングのソファーで、倒れ込むような体勢で寝ていた。

 風邪をひいちゃいますよ?

 心で言いながら、寝室からブランケットを持ってきて彼にかけた。

 テーブルの上には見かけない英語の医学書がある。

 彼はアメリカに留学していた時期の話をするとき、とても懐かしそうないい表情をする。とても楽しい日々だったんだろう。

 ふいに吐き気が込み上げそうになり、慌てて自分の部屋に入った。