ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

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「どうかしたか?」

 返事がない。桜子は遠くを見たままぼんやりとしているり

「桜子?」

「えっ? あ、ごめんなさい」

「最近疲れているんじゃないか?」

 彼女の隣に移動して、肩を抱いた。

「うん、ちょっとね。忙しくて」

 遠慮がちに俺の肩に首を乗せる彼女はかわいいが、もう少し頼って欲しい。

 俺に抱いて欲しいと言ったあの夜、なにがあったのかも、まだ聞いていない。

 いつか自分から言ってくれるのを待とうと思っているが、この元気のなさと関係あるのか、ないのか。

 この前彼女を抱いたとき、なぜ愛していると言わないのか彼女を責めた。

『言えよ。ほら』

『イケメンはダメなんですよ。母の遺言だから』

 くすくす笑ってはいたが、どこか寂しそうにそう言った彼女の真意はどこにある。

 俺ではダメなのか。どうしても信頼できないのか。

「なあ桜子」

 両方の腕で、強く抱きしめた。

「今度、休みを合わせて、温泉でも行かないか?」

 首を回して俺を見上げた彼女は、にっこりとうなずく。