ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

「でも朝井様は浮気の心配はなさそうだしね。美人揃いのここのスタッフの中で、朝井様さまはずっと桜子にしか心を開かなかったもんね」

 このホテルは業界の中でもお給料がいいと言われている。そのせいか私よりも綺麗な女性スタッフはたくさんいるのだ。

「なにかっていうと〝夕月さん〟だったもんなー」

「それは最初に部屋に案内したのが私だからよ」

 美江ちゃんは「謙遜しなくていいから」と私の肩を叩く。

 いや、本当にそうだと思う。

 もし美江ちゃんが最初に接客していたら、美江ちゃんが偽りの婚約者を頼まれたかも。

「で、桜子はどうなの? いつから好きになったのよ」

「ええ?」

「いいじゃない。教えてよ」

 私は……。

「うーん。わからないなぁ。いつのまにか、だね」

 ほんと、いつのまにか好きになっていた。

 

 彼に恋人役を頼まれたときは、そんな気持ちではなかった。

 初めてキスをして、抱かれて。あのときはまだ興味半分だったはず。