ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 リビングのドアを開けると、応接セットのソファーに座っているひとりの女性が振り向いた。彼女と向かい合わせに座っている両親が相好を崩す。

「おお、帰ってきた」

「お帰りなさい。おじゃましています」

「帰国していたのか」

「ええ。少し前にね」

 来訪者は小池薫。

 彼女も医者で、俺がアメリカにいたときの同僚だ。母親同士が友人であり、時々母娘で家に来たりしていた。

「お土産を届けに来たの。あなたにはこれ、日本では多分手に入らないと思って」

 それは最新の学術書だった。

「ありがとう」

「さすがね。私じゃ思いつかないようなお土産だわ」と、母が感心する。

「かわいげのないお土産で恥ずかしいです」

 母はなおも小池を褒めながら、いそいそと席を立つ。

「とりあえず食事にしましょう」

 

 食事の準備が整う間に、小池からアメリカでの話を聞いた。

 ひと通り話を聞いた頃、夕食が始まった。