ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

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 桜子を抱いたあくる朝、目覚めるとすでにベッドに桜子はいなかった。

 耳を澄ますとキッチンから物音がする。朝食の支度をしているのだろう。

 起きて真っ直ぐキッチンに向かう。

「おはよう」

「あ、おはよう」

 軽く抱きしめて頬にキスをする。

 桜子はいつものように少し照れて、恥ずかしそうに睫毛を揺らす。

「シャワー浴びてくるよ」

「はい」


 熱めのシャワーを浴びながら、つらつらと考えた。

 バレンタインの件はやっぱり誤解だった。

 彼女は無神経に垣根を越えてくような女じゃない。

 甘い夜を望むどころか結局チョコレートすらもらっていないし、ホテルのイベントで忙しくしていたようだ。