ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 

 山本先輩の部屋に着きインターホンを押す。

 ドアが開き、山本先輩が顔を出した。

「ケーブルをお持ちしました」

「ありがとう。入って」

 一瞬戸惑ったが、山本先輩は私からケーブルを受け取ろうとせず部屋の中に入ってしまったので、仕方なく中に入る。

 手順通り、ドアを少し開けたままストッパーを挟み込む。

 シングルルームの小さなテーブルの上にはアルコールの空き缶と、サキイカの袋がある。先輩は持ち込んだお酒を飲んでいるようだった。

 このホテルは飲食物の持ち込みを禁止している。

 万が一にも食中毒などの問題がおきないようにするためだが、お酒の場合は事前に申し出てくださればダメとは言わない。

 それをどう伝えたものか。先輩はまったく悪気がなさそうなだけに余計に困る。

 ケーブルをテーブルも上に置き、やはりきちんと言おうとしたそのとき。

「桜子。もう仕事は終わりだよな、付き合ってくれないか? 飲もうよ」

 酔っているのか、目つきが違う。