ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました

 濡れ髪を乾かしながら慎一郎さんは厚手のバスローブを着て戻ってきた。

「おいしそうだ。明日は休みだから日本酒でも飲もうかな。君はどう? 仕事?」

「はい。遅番だから、一杯だけ」

 お酒を飲むならと、塩辛も追加した。

 ああ残念、私も明日休みならゆっくりできるのに。

「ベッドありがとうございます」

「本当にシングルベッドでよかったの? なんだか小さくて心配になったよ」

「今までもシングルベッドですから全然問題ないですよ。部屋が広いから小さく見えるんですね。私のアパートなんて──」

 日本酒の力もあって話は弾んだ。

 こんなふうに楽しい食卓を囲めるのは、次はいつになるだろう。なにしろ私はバレンタインで忙しいからな。

「慎一郎さん、バレンタインの予定は?」

 お医者様にはバレンタインの行事なんてないわよね? なんて軽い気持ちだったのに。

「俺の予定は患者が決める」

 ん?

 今の言い方。なんだか棘があるような。

「あ……。そうですよね」