零れ落ちるしずくを手で拭い取りながら、涙でかすむ目を開けると、そこには優しく微笑む先生がいた。 「春日、せっかくの 俺の誕生日なんだから、 ほら、笑って」 そういって先生の指が私の頬をつまんで上にもちあげる。 「それに俺、春日にまだ おめでとうって いわれてないけど?」 先生はまた、笑う。