「契約、履行してもらうよ」

「はあ、私は『完璧な自殺』に失敗した感じですが」

「まあ、あそこまで教えてやったんだからいいだろう。

 私の方の条件は飲んで貰う」

 そう言って、スカートの裾を抑えながら上品に膝をつくと、近宮先輩は屋上の地面にグラスを二つ立てた。

 言い分は勝手だったが、私も特に異存はなかった。

 正直、近宮先輩に親近感を感じ始めてもいた。

 一緒にお酒を飲むくらいいいだろう。