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 学校の屋上で、私は雪景色の町を見下ろしていた。

 片手には、中学二年用の基礎的な参考書を持っている。

 結局、私も近宮先輩と同じく『次点の自殺』を行うことにしたのだ。

 『完璧な自殺』が不可能なことが分かった以上、他に参考にできる対象もないので、私は近宮先輩の生き方を追ってみることにした。

 だとするならば、観測者の中の私をコントロールする生き方をするには、現代社会では何かとテクニックが必要だ。

 勉強することも、必要という話になる。