「それ以降、私は淡々と『次点の自殺』を行うことにした。

 『完璧な自殺』を行うために世界を滅ぼす破壊兵器を手に入れるなんていうのは夢物語だが、次点として、『観測の牢獄』を修正し続けることはできると判断したんだ。

 親や、学校の先生や、クラスメイト達、そういった私を『観測する者』達の中から完璧に私の存在を消去することが不可能な以上、私にできる精一杯は、彼らが観測している『私』というモノを、私の思うように修正していくことだけだと理解したんだ。

 この、観測者の中の私をできるだけコントロールしながら生きていくという生き方を、私は『次点の自殺』と呼んでいる」