「前に住んでいた家に、学校、そして今の家、狭い世界だ」

「何が言いたいんですか?」

「いやね、それだけなら、まだ皆殺しにして君の存在を記憶から消すことができるかもしれない。

 しかしね……」

 近宮先輩が立ち止まったのは、小さな電気店のショーウィンドウに展示されていた、何かのニュース番組が映っているテレビの前だ。