「君の死にたい気持ちと、どこかのAさんが死にたい気持ちも同じだ。

 そこに貴賤はない。

 価値に差が無い行為に、私は興味がない」

 世間話でもするように、近宮先輩は淡々と語っている。

 私は、衝動にかられた。

 そんなことはない、と。

 この私の傷ついた心と、深い絶望は誰よりも勝る、と近宮先輩に訴えたい衝動にかられた。

 だけど、唇を噛んで、その気持ちを口にするのを思いとどまる。

 そんなことを口にすれば、それこそ私の死に価値がなくなってしまうと、どこかで冷静な自分が気付いてしまったからだ。