「私と契約しなさい」

 いつの間にか片膝をついて、膝を抱えてうずくまっていた私と同じ目線にいた近宮先輩は、細い指でゆっくりと私の髪を梳いた。

 先輩の指が肌に触れた時、その柔らかさに一瞬私は心地よさを感じてしまう。

 正直、これは新手のナンパなのかとも思った。

 近宮先輩には、確か同性愛者であるという噂があった。

「私と契約すれば、私はあなたを完璧な自殺に導いてあげることができる」