車に乗る前に伝えていた自宅マンションのごく近くに、静かに車は停められた。



車を発進させてから藤崎さんは何も言わず、私の方を見ることも無かった。




次第に苦しくなる胸の内で、……振り向いてくれない藤崎さんを見つめるのをやめた。





「……着いたよ」



静かな藤崎さんの声。



諦めきれなくて、胸が苦しくなる。もう一度隣の藤崎さんを見つめた。



藤崎さんが私との関係を断ち切ろうとしていると、そう直感的に思った。