藤崎さんと重ねた唇からは、初めて知る大人の男性の香りがした。





彼のキスは私を未知の世界へ連れて行く。





──……………好き……………



さらわれていく。





──どうしよう、好き……




藤崎さんのことをほとんど何も知らない。



なのに。



…………彼が言うように、未来など考えない関係でも、今だけの刹那的な関係でも構わない。