答えられないことで、藤崎さんは瞬時に何かを推測したようだった。



…………しまったな。




小さくそう言う藤崎さんの声が聞こえた。



「俺は仕事絡みの面倒事は避けたい。……ましてや今井は特別に信頼を置いている部下の一人だ」




藤崎さんの瞳が私を見つめる。




クールな藤崎さんの、今まで見たこともない獣のような男の視線だった。




「………止められるか?……」





まだ呼吸の荒い私を見ながら、



自問自答するようにそう呟いた後。






藤崎さんの腕が急に私を引き寄せ、再び唇を塞がれた。