夜を越える熱

「………そしてきみはさっき、今井について俺にそれとなく尋ねたね。本当はどういう関係?」



藤崎さんはこちらを見ない。


動くもののない前方を睨んだまま。



どういう関係か、と訊かれて答えられなかった。


まさか恭佑があの後、私のことを聞きにわざと藤崎さんのところへ行ったとは思わなかった。





「……今井は、俺を牽制|《けんせい》しに来たわけだ」