「いるよ」
藤崎さんはそう言った。
………………………………
連れて行かれた先は、高級そうな中華のお店の個室だった。
分不相応なところに来てしまった気がしたけれど、案内係に案内されるがままに堂々と進む藤崎さんに付いて行った。広めの豪華な内装の個室にまた驚き、落ち着かない。
「こんなところ、…よく来られるんですか?」
「一人では来ないよ」
藤崎さんは静かにそう言うと、メニューを見ても何を頼んでいいか分からない私を見て、『同じコースで』とウェイターに頼んでくれた。
「私と二人で良かったんですか?」
『一人では』という言葉が気になる。
藤崎さんのことを何も知らない、知りたい。
「二人ではいけなかった?」
その強い瞳を目の前にすると、対等に話せる自信が無くなりそうになる。
藤崎さんはそう言った。
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連れて行かれた先は、高級そうな中華のお店の個室だった。
分不相応なところに来てしまった気がしたけれど、案内係に案内されるがままに堂々と進む藤崎さんに付いて行った。広めの豪華な内装の個室にまた驚き、落ち着かない。
「こんなところ、…よく来られるんですか?」
「一人では来ないよ」
藤崎さんは静かにそう言うと、メニューを見ても何を頼んでいいか分からない私を見て、『同じコースで』とウェイターに頼んでくれた。
「私と二人で良かったんですか?」
『一人では』という言葉が気になる。
藤崎さんのことを何も知らない、知りたい。
「二人ではいけなかった?」
その強い瞳を目の前にすると、対等に話せる自信が無くなりそうになる。
