21時過ぎ。
一度自宅に戻り、自分なりに綺麗に見えそうな装いをした。少しスリットの入ったタイトスカート。普段付けないネックレスや、仕事では付けないようなピアスも。メイクも綺麗に直し、夜に映えそうなラメ入りのシャドウと口紅も付けた。
それから高めのヒールのパンプスを履いて、指定された場所で待つ。
こんな背伸びした格好でいるのは、これから迎えに来る藤崎に綺麗に見られたいためだ。
緊張しながら夜の街に一人で佇む──
なぜ自分がこんなに藤崎に気に入られたいのか分からない。
『優秀な部下になりたいわけじゃないらしいね。個人的に近付いて来た。……そういうことでいいか?』
一瞬、藤崎の瞳に感情の色が混じったように見えた。
頷いた藍香に、
『今日は早く帰宅できそうだ。21時半』
場所を指定された。
『来たいのならおいで。俺は夕飯を食べに行く。それから』
端正な黒い瞳が念を押した。
『仕事の用以外でもうここへは来てはいけない。約束出来るか?』
その言葉にもう一度頷いた。
一度自宅に戻り、自分なりに綺麗に見えそうな装いをした。少しスリットの入ったタイトスカート。普段付けないネックレスや、仕事では付けないようなピアスも。メイクも綺麗に直し、夜に映えそうなラメ入りのシャドウと口紅も付けた。
それから高めのヒールのパンプスを履いて、指定された場所で待つ。
こんな背伸びした格好でいるのは、これから迎えに来る藤崎に綺麗に見られたいためだ。
緊張しながら夜の街に一人で佇む──
なぜ自分がこんなに藤崎に気に入られたいのか分からない。
『優秀な部下になりたいわけじゃないらしいね。個人的に近付いて来た。……そういうことでいいか?』
一瞬、藤崎の瞳に感情の色が混じったように見えた。
頷いた藍香に、
『今日は早く帰宅できそうだ。21時半』
場所を指定された。
『来たいのならおいで。俺は夕飯を食べに行く。それから』
端正な黒い瞳が念を押した。
『仕事の用以外でもうここへは来てはいけない。約束出来るか?』
その言葉にもう一度頷いた。
