夜を越える熱

藍香の首筋に落とされるキス。


その刺激に身体が跳ねる。

「……あ…っ、……い、まいさん……私……」

与えられる快感に必死に抵抗した。


「私、……………、……」



──待って。気持ちが分からないんです。あなたのことを好きなのかどうか、まだ。



そう言おうとした。


「……知ってるよ。俺のことをどう思ってるのか、自分でも分からないんだよね」


薄暗い部屋の中で今井の瞳が光る。


再び首筋へ落ちるキス。そして舌を這わせられ、ブラウスのボタンに手がかけられた。


「………!」


まだ気持ちが分からない。


そしてそれを理解している今井。この状況を考えるより前に身体中が熱くなって、心臓が破れそうになる。

今井の体重を感じる。その意外な重みと至近距離で見るしっかりとした身体、強い力に困惑する。


ブラウスのボタンが外される。キャミソールと白い下着があらわになり、それも大きな手でずり上げられ、膨らみが今井の目の前にさらされる。


恥ずかしさのあまり身体を隠そうとする手を掴まれた。そして指と指を絡ませるように手のひらを重ねられる。