夜を越える熱

ドアに押し付けられるようにして、キスされた。

「……ん……」

噛みつかれるようなキス。さっきとは違う、荒々しいキスだった。


何度も離れては重ねられる唇と、次第に入り込んできた舌に唇から奥の中を舐め回された。その舌は藍香の舌を探り当てると、絡ませるように甘く動く。


甘い吐息が思わず溢れ、苦しくなる。


必死に声を抑えようとする藍香に反して、今井のキスは深く激しくなっていく。



「……い……まい、さ……ん…」


途切れ途切れに呼ぶと、唇を解放された。

何も考えられなくなった思考の中で今井を見上げる。身体の中の熱と甘い刺激で目の前が回る。


「……部屋、入るよ」