ようやく理解できた。


藍香の知らない世界。藤崎のいる上層部の世界では、そういうことも事実として存在するのだと。


「……いえ、私の意思です。誰とも関わっていません」


さっき藤崎に触れられた顎先から耳までが熱を帯びてくる。




「…そうか。じゃあ明日また時間外に来いよ。約束通り、報告とともにね」