部屋を出ると玲来が待機していた。

元々は一般家庭で幸せに暮らしていた玲来だが、私が街にチトセとデート(見回り)に行ったときに一目惚れし、メイドに志願してきた。綺麗な真っ白な髪にメイド服はすこし違和感もある。フリルカチューシャも一体化してしまっている。が、地毛だというし仕方がない。

「悪かったな玲来。用事は?」

そう声をかけると玲来はメイド服のポケットからブローチを取り出す。エメラルドグリーンに輝くブローチをチトセに渡す。

どこかで見たことがあった気がするが忘れてしまった。

「玲来…!ありがとうございます、探いていたのです。これはどこに?」

チトセが驚いた顔で玲来にお礼を言うと玲来は嬉しそうに笑う。

「執事長が喜んでくれて良かったです。執事長室までの中央廊下に落ちていましたよ。昨日ねるまくんにお掃除をたのんだところですね。執事長のものが落ちているなんて珍しいですね。几帳面なの………に…」

玲来の顔が一気に強ばる。見るとチトセがいつになく恐ろしい顔をしている。両目の下の第3、第4の目もピクピクして今にも開眼しそうだ。