なんスーを見送るとそれと入れ替わりにチトセが私を呼びに来た。

「緋女様、昼食のご用意が出来ました。昼食に致しましょう。……アロマをご制作なさっていたのですね。今回も安らぐ良い香りでございます」

「あぁ、チトセ、ありがとう」

呼びに来たことと褒めてくれた事どちらにもお礼を言って、部屋を出る。チトセと共に食堂へ向かった。

「殿下!」

食堂へ入るなり笑顔で出迎えてくれたのは向山 葉月(むかいやま はづき)。シェフをしている唯一私を殿下と呼ぶ古い使用人だ。真面目で仕事にも熱心だが少し心配性なところもある。

「今日はお身体は大丈夫ですか?昨日は熱があったようなので朝には野菜スープをお出ししましたが、全部食べていらっしゃって安心しました」

葉月はニコニコしながらそういい、昼食を出してくる。……まさかこのジューシーな香りは…!!

「嫌いな野菜スープもしっかり食べきった殿下にご褒美です。殿下の大好物、チーズINハンバーグで御座います」

…葉月の作る料理で私の1番好きなメニューがだされた!

「やったぁ!葉月好き〜!!」

私が笑顔で葉月に抱きつく。

「で、殿下!?」

「緋女様、はしたないですよ」

葉月には戸惑われチトセに窘められたから、私は葉月から離れ葉月にお礼をいって、チーズINハンバーグをゆっくり食べた。

食べ終わる頃には透李とねるまもしっかり出かける支度を整えて玄関で待っていた。