「違う!」

私は世界を敵に回しても、誰かがこの恋を汚れた物だって言ったとしても、悠真君との恋を守りたかった。

「あたながいなきゃ生きていけない程、あなたの事を愛している。」

「だったら、問題ないじゃないか。俺だって、一花無しの人生なんて、もう耐えられない。」

悠真君は、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。

「頼むよ。俺を離さないでくれ。」

「悠真君。」

「栞の事は、何とかするから。信じて待ってくれないか。」

不倫男性によくある言葉。

「……いつまで待てばいいの?」

「そうだな。栞がこの離婚を納得するまでかな。」

「そんなんじゃ、私おばさんになっちゃうよ。」

「うん。そうかもしれないね。」

悠真君の腕の中でもっと我儘になる。

「私、結婚して子供が欲しい。」

「うん。だから、俺も一花と子作りしてる。」

「結婚する前にできたら、戸籍上あなたは義父になるのよ?」

「それでも構わないさ。戸籍上義父だろうが、遺伝上父親である事は間違いない。要は、俺達の子供だったらいいんだ。」

私は悠真君を抱きしめた。

「離さないよ。そこまで言うんだったら、地の果てまで追いかけるよ。」

「受けて立つ。まっ、俺も一花を離さないけどね~。」

この人は、どこまでもこの恋を純愛にしたいらしい。