考える先に、体が動いていた。

行けるとしたら、お店が休みの水曜日しかない。

私は、財布をバッグに入れると、もう部屋を出ていた。


「悠真君。」

もう、悠真君しか見えない。

「はっ、はっ、はっ……」

小走りで、駅に向かう。

家から駅までは歩いて15分はかかる。

自分でも馬鹿だと思う。

駅に行ったって、何もならないのに。

会える訳じゃないのに。

家すらも分からないのに。


それでも会いたい。

悠真君に会いたい。

その気持ちだけで、私の身体は動いていた。

駅に着き、電車に乗る。