禁じられた恋はその胸にあふれだす

そして翌週の週末。

私達は、激しく愛し合った後、階段を一緒に降りていた。


「じゃあ、また来週。」

悠真君が手を振った瞬間だった。

私の視界に、栞さんが見えた。

「きゃっ!」

振り返った悠真君は、目を大きくしている。


「おかしいと思ったら、また会っていたのね。この女と。」

だんだん私達に近づいてくる。

「その上、不貞行為まで。」

「何で知ってるんだよ。」

「玄関の前で、聞いてたからよ!」


聞かれていた?

どこまで聞かれていた?

まさか、最後まで⁉


「最低な人間ね!」

その瞬間、私の頬に痛みが走った。

「一花さん。私はあなたを訴えます。後ほど裁判所から通知が行きますので、覚悟してください。」

その後の記憶が、私には全くなかった。