「本当?だって、記憶喪失なんでしょ?」

「いないよ。それだけは分かる。」

胸が熱くなった。

いつの間にか、悠真君を見つめていた。

「どうして、分かるの?」

「だって俺、一花ちゃんの事、好きだから。」

ドキッとした。

「俺の心は、もう一花ちゃんの物だよ。」

「あはっ!」

「あっ、笑ったな。人の渾身の告白。」

見つめ返されて、ドキドキした。


「一花ちゃんは?」

「私は……」

もう胸のドキドキが、収まらない。

私、悠真君に恋をしている。

「俺の事、好きだって言って。」

悠真君の顔を近づいてくる。