特徴的な赤い目を隠すように長く伸ばした前髪越しに、エリオットはうっすらと目を開けて様子を窺った。

 シュエットと呼ばれた少女以外の二人が、視力が弱った老人のように両目を細めて、こちらを見ている。

 身動きしたら起きているのがバレてしまいそうで、エリオットは懸命に寝たフリを続けた。

 その間にも、二人の少女は好き勝手に喋っている。

 エリオットはない、だとか。いつもボッチの暗いヤツ、だとか。赤点大魔王、だとか。

 少女たちの言葉にややネガティブな妄想を混ぜながら、エリオットは眉間にシワを寄せた。

 そんな少女たちにシュエットは、

「確かに。それだけ聞いたら、私とは正反対ね?」

 と言った。