だが、兄の偉業はここでも知れていて、教師たちはエリオットに過分な期待を寄せてきた。

 偉大な兄のような人になるのだろうと期待して、かつての家庭教師たちのように勝手に失望される。

 その上、身分を隠しているせいで教師たちに特別扱いされるエリオットが面白くない同級生たちは、彼を倦厭した。

 それが五年目ともなれば、もう挽回しようという気にもなれない。

 居心地の悪い教室を抜け出して、中庭で惰眠をむさぼるのがエリオットの日課だった。

 そんな時だったのだ。

 エリオットがシュエットを見かけたのは。