指定された制服をきっちり着込んで。赤みがかった茶色の髪を、三つ編みにして。校則そのものが歩いているのではないかと思うくらい、彼女は規則通りの格好をして歩いていた。

(今時、あんな子がいるのか)

 ミグラテール学院は、身分の差なく広く門戸を開いている。

 そのため、校則はわりと緩めである。特に制服に関してはゆるゆるで、スカートの丈をいじるだけならかわいいもので、原型を留めないくらい改造してしまう者も多々いた。

 そんな中、大真面目に校則を全部守っている生徒は珍しい。

 エリオットは彼女を一目見て、苦手だと思った。