一度、あんまりにも理不尽だと思って、抗議しに行こうとしたこともある。

 だけどその時は途中でクラスメイトに呼び止められて、シュエットのやる気は萎んでしまった。

 どうしてそんな視線を向けられるのかわからないまま、エリオットの卒業で終わりを迎えたわけだが──。

 今、あの時とよく似た視線が、ベランダの下からシュエットへ向けられていた。