「ああいう男はさ、シュエットみたいなお姉ちゃんタイプの女に守ってもらいたい、優しくしてもらいたいって思っているんだよ。何もしたくないから」

「シュエットはしっかりしていて頼りがいがあるけれど、実は世話を焼くより焼かれる方が合っていると思うの。だから、甘えん坊タイプのエリオット先輩は、なしね」

「そう……?」

 甘やかしてくれる人よりも、甘えてくれる人との方が相性が良いと思っていたシュエットは、友人たちの言葉を意外に思った。

 だって、シュエットは人の世話を焼くことが多い。

 すぐ下の妹とは年子で、物心つく前から「お姉ちゃんなのだから」と言われ続けてきた。

 結果、彼女は自分のことは自分でやって、さらに余力まで捻出して他者の手助けをすることが癖になっている。