細めの体を丸めて、ローブの奥からシュエットの方を見上げているようにも見える。

 長い前髪が邪魔をして、シュエットはその誰かがどんな顔をしているのかもわからなかった。

 だけどシュエットはなぜか、ローブの人物を知っているような気がした。

 いや。正しくは、ローブの人物の視線に、と言うべきか。

 物言いたげなその視線は、学生時代に幾度か感じたことのある視線と酷似している。

「エリオット先輩……?」

 そう、彼の。

 視線に。