「ああ、ごめんなさい。迷子ではないのね?」

 賢い子だ。シュエットの質問に、ちゃんと答えてくれている。

 腕を伸ばして頭を撫でると、モリフクロウは気持ち良さげに目を細めた。

「お手紙や小包は持っていないようだから、お仕事ではないのよね?」

 モリフクロウは否定するようにクチバシを鳴らす。

 これはつまり、仕事だと言いたいのだろうか。

「お手紙も小包もないのに、お仕事なの?」

 それは一体、どんな仕事なのか。

 フクロウの仕事といえば、やはり手紙や小包の配達である。それ以外になにがあるというのか。