男は再び頭を下げると、あっという間に走り去ってしまった。連絡先を聞く暇もない。

「もし見つけたら、教えてあげようかと思ったのだけれど……」

 これでは、もしフクロウを保護したとしても連絡できない。

 走り去った彼がどこの誰なのか、シュエットにはさっぱり分からないのだ。

 シュエットは空を見上げ、迷子のフクロウが早く主人と会えますようにと祈った。