待ってと言おうとした吐息ごと、唇を奪われた。

 試練の時はあんなにも紳士的だったのに、今はその片鱗さえ見当たらない。

 獲物を捕らえた猛禽類のように、エリオットは容赦なく貪ってくる。

 シュエットから甘ったるい声が漏れると、エリオットはますます遠慮がなくなった。

 くったりとした彼女の体をソファへ横たえ、快楽にとろける表情に舌舐めずりする。

「エリオット……」

(まさか、ここで?)

 期待と不安がない混ぜになる。

 興奮したエリオットが自分に何を求めているのか、わからないほど子どもではない。