「──そして私は、ジンクスに囚われたのね?」

「そういうことだ」

 なんてこと、とシュエットは座っていたソファの背にもたれた。

 まるで、小説のような話だ。

 信じられないと思うが、本当の話だという。

 それにしても、どうしてエリオットはそこまで詳しく知っているのだろうか。

 当事者であるシュエットよりも、事情に詳しい。

 不思議に思って問いかけると、エリオットはなんでもないことのようにこう言った。