王宮へ連行されたシュエットの身柄は、迎えに来た近衛騎士とは別の近衛騎士に引き渡された。

 連れていかれる先はもちろん、牢なのだろう。

(ああ、ここで私は暗く陰鬱な日々を送るのね……)

 エリオットを拒否した代償は、あまりにも大きい。

 きっとシュエットはここで、何カ月も、いや、もしかしたら何年も過ごすことになるに違いない。

(一生でないことを祈るばかりね)

 分厚い扉が開かれて、シュエットは中へ押し込まれた。

 石造りで不衛生な、みすぼらしい部屋を想像していたシュエットは、押し込まれた先の部屋があまりにも想像と違って驚く。