情熱的な彼女の視線に、コルモロンがギョッと目を剥く。

「しゅ、シュエット⁈」

「彼を迎え入れることを、検討してくださいませんか? きっと、仲良くできますわ」

「ああ、なんだ、そういうことか……」

 コルモロンは、モテる。

 モテるゆえに、シュエットの熱を帯びた視線をうっかり誤解してしまったらしい。

 ホッと息を吐くコルモロンに、シュエットは「はて」と不思議そうだ。

 またしても彼女は、どういうことだか分かっていない。

 堅物女のシュエットは、モテたこともなければ恋人がいたこともない。

 異性との適切な距離感もまた、知らないのだった。