「あなたが、シュエット・ミリーレデル嬢ですね? ピヴェール公爵に対する侮辱罪で、王宮に連行します」

「え⁉︎」

 有無を言わさず腕を掴まれて、シュエットの手からホウキが落ちた。

 こんな時、いつもならば真っ先に助けに来てくれるラパスは、今日に限って止まり木からこちらを見ているだけ。

「何かの間違いでは? 私は、公爵様を侮辱したことなんてありません!」

「私にはわかりかねます。私はあなたを王宮へお連れするようにと命じられているだけですから。詳しくは、王宮でお尋ねください」

 そのまま引き摺られるようにして、階段を歩かされる。