(だって、目が)

 彼の視線は常にシュエットへ注がれていて、「好きだ」とか「愛しい」と訴えてくるのだ。

 それはもう、シュエットが顔を背けたくなるくらい熱心に。

(恥ずかしいけど……でも、嬉しい)

 触れたところから、エリオットの気持ちが伝わってくるような気がする。

 こんなに大切にしてくれる人を、シュエットは知らない。

「さぁ行こうか、シュエット」

 今宵の彼は、いつも以上に美貌に磨きがかかっている。

 シュエットをエスコートするという使命があるせいか、いつもの自信なさげな様子は見受けられなかった。

 その余裕からか、大人の色香のようなものさえ漂っている。