ヴォラティル魔導書院の新たな門出を祝う舞踏会は、院長である公爵の館で行われる。

 公爵の館は、代々王弟殿下が受け継ぐものらしい。

 国王の離宮を改修したものなのだと、エリオットは説明してくれた。

「わぁ……」

 思わず、シュエットは声を漏らした。

 見上げた天井の、高いこと。

 その天井から吊り下がるシャンデリアの明るさといったら。

 磨き抜かれた床は、シャンデリアの明かりに照らされて、キラキラと輝いている。

 思わず感嘆の息を吐くほどに、舞踏会の会場は煌びやかだった。