好きで、忘れたくないなら、答えはひとつだ。

 エリオットを選べば良い。

 だけど、シュエットはこの期に及んで、その選択をできないでいた。

 三人きょうだいの一番上は、うまくいかない。

 その言葉が、シュエットの選択を拒否するからだ。

「エリオットが不細工で、どうしようもない駄目男だったら良かったのに」

 そうしたら、シュエットは気兼ねなくエリオットを選べただろう。

 もっとも、そんなエリオットなんてエリオットじゃないし、そもそもシュエットが彼を好きになるのかも怪しいが。

「もしも私がエリオットを選んだとして……ジンクスの通りになるのだとしたら、私はどうなってしまうのかしら」