エリオットはそれだけ絞り出すように言ったあと、プシュウと湯気を出しそうな真っ赤な顔を手で覆って空を仰いだ。同時に、シュエットを抱き寄せていた腕がぎこちなく離れていく。

 シュエットは残念そうに離れていく腕を見て、それからハッとなって目を逸らした。

「なんつうか……オレが思っている以上にうまくいっているようで、なにより?」

「なによ、カナール。それってどういう意味なの?」

「わかんないなら、それで良いんじゃない?」

「わからないから、教えてほしいんじゃないの」

 まるで子どもの応酬だ。

 二人が仲の良い恋人同士に見えていた自分が、エリオットは無性に恥ずかしくなった。