「あらまぁ!」

 とは、こどもたちのお母さんがたの声だろう。

 おおかた、こどもたちを捕まえようとして走っていった先に、見たこともない美貌の男が立っていて、思わずクラッとしたに違いない。

「この度、ミリーレデルのフクロウ百貨店の二階で、フクロウカフェがオープンしました。一時間で千五百ゴールド、かわいいフクロウと戯れながら、おいしいカフェオレはいかがでしょうか?」

 シュエットの指示通り、拙いながらもエリオットがそう言うと、お母さんがたは「はぁい」とうっとりした声で返事をする。

 遠目でそれを見遣りながら、シュエットは鳥籠からラパスを出した。朝日を浴びて、ラパスが眠そうに欠伸をする。

「ラパス。あなたは看板鳥なんだからね? 今日くらいは、愛想良くしてちょうだい」